新しい事業を始めたいのですが、本当にニーズのある「顧客の課題」はどう見つければいいですか?

そのアイデア、本当に「誰か」を救いますか?

新しい事業のアイデアに胸を躍らせ、その可能性にワクワクしている起業家・事業責任者の方へ。その情熱は、何よりも尊い原動力です。

しかし、多くの新規事業が失敗する最大の理由をご存知でしょうか? それは、作ったものが「素晴らしいプロダクト」ではあっても、「誰もお金を払ってまで解決したい課題」の答えではなかった、という厳しい現実です。

この記事でわかること

  • なぜ「プロダクトのアイデア」から事業を始めてはいけないのか
  • 机上の空論ではない「本物の顧客課題」を見つける具体的な3ステップ
  • あなたの貴重な時間と情熱を無駄にしないための検証方法

なぜ「プロダクトのアイデア」から始めてはいけないのか

多くの人が「こんな機能があったら便利だろう」「こんな製品はまだ世の中にない」という「解決策(プロダクト)」から発想してしまいます。これは「課題を探している解決策」という本末転倒な状態です。

私の信条は「求本看透(本質を見る)」です。表層的なアイデアではなく、その奥にある根源的な課題を探求することから全ては始まります。顧客自身が気づいていない、言語化できていない「不便・不満・不安」にこそ、事業の種は眠っています。

過去の失敗談:私も「課題を探している解決策」を握りしめていました

以前、「有名人とファンがグループで話せる時間を売買する」という、画期的なアイデアを思いつき、テストマーケティングしたことがありました。「ファンなら応援している人と話したいはずだ!」と。しかし、そこには決定的な視点が欠けていました。それは「有名人側が、本当にその課題を抱えているのか?」という視点です。実際にインフルエンサーの方々に提案して回りましたが、反応は芳しくありませんでした。もしあのままプロダクト開発に突き進んでいたら…と今でも思います。

顧客の「本物の課題」を見つける3つのステップ

ステップ①:まずは机の上で「簡単な仮説」を立てる

いきなり外に飛び出すのではなく、まずは「誰が、何に困っているはずか?」という仮説を立てます。調査に1週間もかかってしまうような大掛かりなものではなく、A4サイズの紙一枚にまとめられる程度の簡単なもので大丈夫です。

課題の総量(大きさ)は「頻度」×「深刻度」で考えると、よりイメージしやすくなります。これらの仮説を一枚の紙に書き出すだけでも思考がクリアになり、チームで議論する際の強力な土台が出来上がります。

ステップ①のチェックポイント

  • ターゲット顧客は具体的に誰か?
  • その顧客はどんな状況でストレスを感じているか?
  • 課題の「頻度」と「深刻度」はどのくらいか?

ステップ②:現場に出て「観察」又は自ら「体験」する

仮説を持ったら、会議室を出て、ターゲット顧客がいる「現場」に行きます。実行こそが全てです。

アンケートではなく、5人で良いので直接会ってインタビューをしましょう。「何が欲しいですか?」と聞くのではなく、「今、どうやってその問題を解決(あるいは我慢)していますか?」と聞くのがポイントです。言葉よりも、顧客自身が「課題」だと認識していない「非効率な習慣」といった「行動」を見ることが重要です。

ステップ②のチェックポイント

  • 「なぜ?」を5回繰り返し、顧客の本音を深掘りしたか?
  • 顧客が独自の工夫(我慢)で乗り越えている課題を発見できたか?
  • 顧客が「当たり前」だと思っている非効率な行動はないか?

ステップ③:小さく「検証」する

「これは本物の課題かもしれない」と感じたら、プロダクトを作る前に、その課題にお金を払う価値があるかを検証します。

「払うよ」という言葉と、実際に財布を開く行為との間には天と地ほどの差があります。私が最も信頼している検証方法は、簡単な紹介ページを作り、事前登録など、何かしらの「行動」をしてもらうことです。本当にその課題に困っている人なら、必ず行動してくれます。

ステップ③のチェックポイント

  • 「いくら払いますか?」という言葉を鵜呑みにしていないか?
  • 顧客がメールアドレス登録などの「行動」を起こしてくれたか?
  • お金を払う価値がある課題だと確信できたか?

まとめ:全ての答えは「顧客」の中にある

素晴らしい事業は、素晴らしいアイデアから生まれるのではありません。一人の顧客への深い共感と、その人が抱える「本物の課題」の発見から始まります。

ご紹介した3つのステップは、まさに私の信条である「求本看透」を実践するための、具体的なプロセスなのです。

あなたの事業アイデアの確度を高め、
顧客の本当の課題を見つけ出すプロセスで壁打ち相手が必要だと感じたら、
ぜひ一度お話をお聞かせください。

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